貧困の連鎖を終わらせる

「相続された貧困」という言葉があります。貧困が一つの世代だけで終わらずに、その次の世代まで続いてゆくというものです。もし、本当にそのような傾向があるのであれば、たとえば貧困が原因で消費者金融から高金利で借り入れを行い、多重債務に陥るという悪循環が世代を超えて続いてゆくということになり、社会にとっても大きな損失となります。実際にそのような傾向があるのかどうか日本でも調査した事例はあります。もっとも、貧困状態にある方が利用すると考えられている生活保護の受給状態について調査したものです。その結果をまとめた「貧困と社会保障制度」によると、項目によっては関係あるものの、すべてではありませんでした。たとえば、高い相関関係を示したものとしては、親の学歴、特に父親の学歴や、本人と配偶者の学歴、15歳時点での家計状態などでした。この研究結果のなかでは「教育の収益率」という言い方をしています。つまりは投資効果が高い教育に対して、どの程度のお金をかけたか、ということが貧困になるかどうか、を分ける可能性があるというこでしょう。教育に対してお金が必要ということであればやはり「貧困は連鎖する」ということになるかもしれません。解決手段として教育問題に取り組むことは大きな問題で、現実に動くことができるのは政治です。一方で、私たち個人のレベルで、貧困に陥らずに安定した生活を送り納税者として良き市民として生活できることは何かを考えておくことが大切です。そのためにも貧困の連鎖は、政治に頼るのではなく、自らも終わらせようとすることが大切です。難しい勉強は必要なく、公開してある情報を積極的に見にゆくこと、消費者金融など高利の金融に手を出すまえに、生活センターや市役所などに相談して、わからないことは教えてもらうという基本的なことが第一歩です。